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アドビが規約改定をして、CS6など旧製品の使用を禁止へ

2019年5月13日

脱アドビ

 

デザインソフトといえば、言わずと知れたアドビシステムズ……通称アドビの製品群が筆頭に挙げられると思います。
DTP関連からデジタルコンテンツの制作に至る、およそパソコンで行うほぼすべてのデザイン制作に関わるソフトウェアを提供しています。
デザイナーはもちろん、印刷会社、プロデュースの会社……あらゆる会社で導入され、もはやデザイン業界には必須のツールとなっています。

アドビの製品といえば、「Photoshop」と「Illustrator」が有名ですが、他にも「Acrobat」とか「InDesign」とか「Premiere」とか色々専門ソフトがあって、これらをセットにした「Bundle」というシリーズ、その後継に「Creative Suite」が登場し、一番高額な「Creative Suite Master Collection」が30万円を軽く突破する金額になって、これをバージョンアップごとに購入するのはよほど儲かっている一部の人しか無理よね、ということから、2013年にサブスクリプション化することになりました。
要は月額課金。月に6,000円くらい払うとフルで使えるよ、ということになりました。

ちなみにデザイナーさんの世界では、アドビソフトのバージョンが結構重要視されています。
デザイナー、発注者、別の部分を担当するデザイナー、印刷会社……と複数にまたがる作業が多いので、見た目の差異が生じるのを避けるために、みんなでバージョンを合わせるのが通例となっています。

そこでアドビは、サブスクリプションを利用しているユーザに対し、「CS6以降のバージョンなら自由に選べるようにするよ」と約束してきました。この約束は、日本のデザイナーにとってかなり重要なものでした。

ところが2019年5月9日ごろ、唐突にアドビが規約改訂を行いました。
これまで使えていたCS6以降の各バージョンを非推奨として削除し、最新版から直近3バージョンに限るという内容に変更してしまったのです。
事前告知なしでいきなりの足切りに、ユーザの間でも混乱が発生しています。

しかも、「直近3バージョン」というのが、どうやらマイナーバージョンも含めての3バージョンらしく、もう事実上最新版以外の選択肢がないみたいで。。

 

僕もかれこれ20年近く、ソフトウェア業界にコバンザメのようにくっついてご飯を食べさせてもらっている立場です。
アドビさんにも大変お世話になっているし、業界の色々な難しい事情もあるらしいことはこの仕事をしているとイヤでも耳にするので、きっとアドビさんも色々考えた末にそうしたんだろうな、と思い至って、あんまり批判がましい気持ちにはなれませんが、もうちょっとユーザに丁寧な説明があったら、こんなに怒り出す人もたくさん出てこなかったかな、、みたいな偉そうなことを思ったりしています。

ただ、ちょっと心配なのは、Twitterなどでこの件に絡み、「だからサブスクは嫌いだ」「もうサブスクなんか信じない」と言っている方が予想以上に多くて、こういうことをきっかけに、サブスクリプションサービスへの躊躇、懐疑的な考えが生まれてしまったとしたら残念だと思っています。

サブスクリプションは、まだまだこれからの分野です。在り方も、業界標準のルールも、今後どんどん整備が進むと思います。
このことだけで判断しないで欲しいと思っています。

 

……という記事を書いたのは、2019年のこと。
2021年の現在、#脱アドビというハッシュタグがTwitterやYoutubeなどで常在化し、デザイナーさんたちの間でもアドビ以外のソフトを使おう、アドビ製品への全面依存は避けるようにしようという動きはハッキリとした形になってきています。

特にイギリスのSerif Europeという会社が製作した「Affinity Photo(Photoshopに相当)」「Affinity Designer(Illustratorに相当)」「Affinity Publisher(Indesignに相当)」はこの時期に日本ユーザを広く獲得することに成功しました。
現役のデザイナーさんやイラストレーターさんにも支持されていて、今一番アドビ代替としては最有力なツールだと思います。

当サイトでは、現役のデザイナーさんなどに活用実態をインタビューした記事を掲載していますので、ぜひそちらも見ていってください。

Affinityシリーズ - リニーズメディア
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