ネットで検索するとき、多分大半の人がGoogle検索を利用するんじゃないかと思います。
Google検索を直接的に使わない場合も、Yahoo!とかは基本Googleから提供を受けているだけなので、正味Google検索を利用していると言えます。
そういう意味で、Google検索の利用率は他サービスを大きく引き離してトップであると思われます。
ところがそのGoogle、個人情報を数多く収集しています。
経験あると思うのですが、外食できるお店を探したりすると、自宅からの距離や乗り換え情報なんかが出てきたりしませんか?
また、コンビニを検索すると、自宅付近のコンビニが上位に表示されていませんか?
あるいはネット上に表示される広告が、そういえば以前アクセスしたサイトのものだったりしませんか?
こういう、ほんのちょっと便利というか、検索結果の精度を上げる仕組みは、Googleに収集されたあなたの個人情報と検索結果が紐付けられていることで実現できているのです。
ここで2通りの考え方が生じます。
ひとつは、便利だから良いじゃん! オレの個人情報なんて、どうせ何の価値もないんだから、別にこういうことに使ってくれていいよ!
もうひとつは、ちょ、それ怖くない? プライバシーってないの? オレのエロサイト閲覧履歴バレバレで恥ずかしいじゃん!
前者の方は、まあ、良いんです。Googleもそういう思考を期待してやっているわけで、そこに乗せられちゃっても本人がそれで良ければ良いんじゃないでしょうか。はい、解散。
お帰りになった後、ぜひ一度ご視聴いただければ。



後者の方は、実際、恥ずかしい検索……エロサイトだけじゃないです。不安になって病気のことを調べたり、ちょっと人に知られたくない悩みのことを調べたりすることもあると思うのですが、こういうものすべてが、あなたの個人情報として蓄積されるという事実に少しでも危機感があるなら、これからご紹介するStartpage.comはなかなか有意義なサービスです。
個人情報を渡さずGoogle検索するサービスStartpage.com
以前、DuckDuckGoというサービスをご紹介したことがあります。
このDuckDuckGoも大変優れたサービスで、Googleとはまた異なる思想から誕生した検索サービスなのですが、Googleと比べると底の深さが浅く、まだまだ実用性の面では不十分だといえます。
マイクロソフトの検索サービスBingはかなり頑張っていて、なるほどこれならユーザも納得……なのですが、個人情報を渡す相手がGoogleからマイクロソフトに変わっただけなので、実際プライバシー観点ではどうなんだろう、というところがあります。
一番いいのは、個人情報を渡すことなくGoogleの検索サービスが利用できることなんですが、そんなことできるのか……そう思っていたら、なんとありました。
Startpage.comというサービスです。
このサイトを経由して検索すると、個人情報を経由せずにGoogleで検索することができます。
検索の品質はGoogleと同一なので、検索結果に文句の付けようはありません。
イメージ検索もGoogleと共通していて、普段使いでもGoogleとの差を感じさせません。
幾つかのデメリットとしては、
店名や会社名で検索しても、Googleのストア情報は出てこない。
Googleで検索すると、検索結果の右側にこういう表示が出てくるのですが、Startpage.comでは特に表示がありません。
微妙に不便ですが、これも個人情報収集の成果だということです。
純粋な検索結果だけです。
自宅付近のコンビニ情報なども表示されない
Googleだとストア情報以外にも、関連付けられた商品の情報や自宅付近の地図なども一緒に表示されます。
便利さを追求するなら、これらは大変優秀です。
Startpage.comはシンプルです。商品情報も地図も表示されません。
地図が出てこない
上に関連しますが、Googleでは地図検索が優秀ですが、Startpage.comでは地図検索の項目がまだありません。
Startpage.comの設定には地図関連の設定項目があるので、将来的には対応するのかも知れません。
ニュースの項目がない
Googleでは、ニュース検索の項目がありますが、これもStartpage.comには搭載されていません。
個人情報とは余り関係なさそうなので、そのうち搭載されるかなぁ……と思っています。
動画の検索順位は結構違う
動画については意外と違うみたいです。
GoogleはYoutubeの閲覧履歴から最適化しているのかも知れませんが、その辺は把握し切れていません。
……と、まあ、このように、個人情報の関わりそうな部分を中心に機能がカットされています。
ただ、個人的に1ヶ月ほどStartpage.comで仕事をしてみたのですが、慣れてしまえばそんなもんだと思えるレベルで、別に大きな支障は感じられませんでした。
検索の調整機能はちょっと便利
ただ、やっぱり「今日は外食にしようか」とか、「明日の飲み会の場所を再確認しておこうか」みたいに検索したとき、駅までの乗り換え情報とか、道順とか、営業時間のお知らせみたいなのが最初から表示されているGoogleは偉大で、個人情報の使い道としては全然アリなんだろうなとは思いました。
Startpage.comの検索の調整機能はGoogle同様なかなか優秀で、
Any time:検索の対象となる期間を設定する
Any place:検索対象を「日本語圏」か「アメリカ圏」かを選べる
Advanced:より詳細な設定ができる
基本、Googleにも同じ設定がありますが、インスタント感はStartpage.comの方が上かなぁ……という気がします。
Advanced をクリックすると、詳細な検索ができるようになります。
例えば中国の情報を調査する場合、「Language」をChineseに。
Chinese(Simplified)は簡体字、Chinese(Traditional)は繁体字です。
CountryもChinaに設定。
中国語で検索されました。
Googleでも同様のことができますが、いわゆる設定変更をすることになるため、検索が終わったら元に戻す必要があり、微妙に不便です。
この部分はStartpage.comが有利だと思います。
いや別に中国語で検索しないし!
……その通りです。こんなことするのはリニーズくらいですね。。
サイトにも足跡を残さない
検索すると、各サイトのリンクの端に「Anonymous View」という表示があります。
この「Anonymous View」をクリックすると、青い枠に囲まれた状態でそのWebページへアクセスされます。
この状態だと、クッキー情報やその他プライバシーに関わる部分を伏せたままアクセスできるので、大丈夫かよ、不安だよ、というサイトへのアクセス時は、この機能を使うと便利です。
Googleは優秀です。それも飛び抜けて優秀です。
個人情報の使い方も洗練されていて、確かにすごく有意義なサービス提供をしてくれています。
ただ逆に、これらは悪用されたり、流出したときのダメージが大きいという危険性も多分にして孕んでいます。
今、この時点でGoogleは良心的な企業だろうと思います。
悪徳な考えは(恐らく)持っていないと思います。
Appleよりはよほどこの辺しっかりしているかな、という印象があります。

ただ、今後もそうとは限りません。
経営者が替わったり、事業買収などでオーナーが入れ替わることで、変節する場合だってあります。

そうなったとき、顧客の渡しておいた個人情報は突如として牙をむき、あなたに襲いかかるかも知れません。
そんなときパニックにならないため、自分で制御する、制御できる方法を身に付けておくことは重要です。
Startpage.comは、Googleの便利さをある程度残したまま、ちょっと距離を置いておきたいというユーザさんのための、ひとつの手段としてお薦めしたいサービスです。
ぜひお試しください。
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