新元号発表に寄せて

未改修

 

本日11:30、新元号の発表がありました。
新元号は「令和」、5月1日からは新しい時代の幕開けです。
企業っぽく発言すると、リニーズは新しい元号の発表を歓迎し、皆さまとともにお祝い申しあげます。
今上陛下のご偉業と平成時代の皆さまの歩みを謹んで振り返りつつ、新しい天皇陛下のご即位を心よりお祝い申しあげ、来たる5月1日をお迎えしたいと思っております。

 

天皇の代替わりごとに呼び名が変わる仕組みは、現在世界中で日本だけのようです。
かつてはアジア地域に広がる習慣だったのですが、どこの国も王制が廃止されてしまったため、代替わりでも呼び名が変わらない年号制を用いているようです。西暦と年号を併記するような感じで使われることが多いみたいです。

タイ王国なんてどうかな、と思って調べてみたんですが、タイ王国に至っては昔から元号制が存在していなかったらしく、釈迦入滅の年からカウントするタイ歴という年号制が用いられていたとのこと。

今となっては貴重な日本の元号制です。

 

日本はほぼ純然たる農耕民族国家です。
国土が狭く、ほとんど山で構成されている日本では限られた平地に集中して住むしかなく、定住を余儀なくされたためです。
定住するには狩りに頼らず、稲作を主体とするしかありません。
そこで日本では相当古くから稲作が普及していました。

農耕民族にとって重要なものは太陽です。
お日さまあっての農耕です。
日本では太陽が重視され、天照大神という神様まで登場します。
その弟が月読尊。月の満ち欠けの神様です。

日本では、太陽と月の満ち欠けを支配する存在=天皇として文化を育んできたわけです。
天皇は元々が村落の長老みたいなもので、種まきの時期を決めたり、お祭りの日取りを決めたりする……
つまり暦(カレンダー)を決める大権を有するのが天皇、
元号制定も天皇の専権事項だったと言えます。

蛇足ですが、織田信長は天皇に圧力をかけて「天正」という元号に変えさせています。
神をも恐れぬ……当時の人々が信長を評価した理由の一端が窺い知れます。

 

騎馬民族は根本的に異なります。
広い土地で羊たちを放し飼いにして、そのエリアの草を食べ尽くしたら、また別の土地へ移動していく……
基本的に定住しません。

彼らにとって重要なのは、方角です。
自分たちが今、どこで暮らしているのか。
周辺の部族の土地に侵入していないか、されていないか。
常に彼我の位置関係に気を遣うわけです。

また、彼らはテント暮らしです。
夜になると星空をボーッと眺める事が多かったはずです。
だから騎馬民族は北極星を見つけて方角を知り、
星座の物語を想起し、
流れ星に凶兆や吉兆を感じる文化になっていったのでしょう。

ちなみに中国は根本的に騎馬民族の社会です。それが間もなく農耕文化を手に入れ、定住化するようになったのです。
中国の皇帝は天帝(神様)の差配があり、百官の要請があり、万民の乞う声が万里にこだまして即位を宣言するのですが、その兆しは流星だったり、天の異変だったりすることが多いのはそのためです。

 

日本で長く元号が使われているのは、きっと一応にも論理的な理由があるんだと思うのですが、
恐らく民族の文化として、元号は捨てきれない、日本人のアイデンティティの一部になっているんじゃないかな、と思ったりします。

中には元号不要の論陣を張る方もいらっしゃるようです。
もちろん、それはそれで……なのですが、全部合理的じゃ面白くないと個人的には思っています。
せっかく続いている元号制ですから、これも日本なんだと思って受け入れたいかな、と思います。

 

コンピュータ関連のブログなので、最後にコンピュータと元号についても書き添えておきたいと思います。
ソフトの中で元号を使っている場合、やはりこの元号を書き換える作業が必要になります。
日本独自の「元号修正」です。
実は結構元号の書き換えが必要なソフトは多いみたいで、各社とも4月1日の発表を受けて、中旬くらいをピークにアップデートが出るようです。

コンピュータの世界における日時は、協定世界時1970年1月1日0時0分0秒を起点として、そこから累積的に1秒1秒重ねていった値を日時として処理する仕組みで動いています。これをUNIX Timeと呼んでいます。
なんで1970年なのかというのは、実のところ大した根拠はないらしく、コンピュータ初期に開発されたUNIX(ユニックス)というシステムに搭載する際に、その場の流れで決まったそうです。おおらかな時代だったんですね。
ちなみに2038年1月19日3時14分7秒になると、その起点からの累積が2,147,483,647秒に達し、それ以上カウントすると溢れかえってしまい、エラーが発生することが分かっています(2038年問題)。Macは2001年1月1日0時0分0秒でリセットを行ったため、この問題はとりあえず先延ばしになっているそうですよ。

つまり、コンピュータの世界は西暦基準で、別に元号の処理を行っているわけではないため、基本的には問題は発生しません。
ただ、例えばExcelでセルの書式設定を用いて元号に置き換えたりとか、
弥生会計で税務書類の帳票で元号に置き換えたりとか、
筆王で新年の挨拶文のテンプレートで自動的に元号に置き換えたりとか、
そういう部分でソフトの仕様上、元号へ置き換えている部分があるため、これをソフトメーカーとして修正する作業が必要になります。

ちなみに西暦から88を引くと平成の年号になります。
2019年ー88=1931。下2桁が31だから、平成31年です。
2000年ー88=1912。下2桁が12だから、平成12年です。

昭和の場合は25を引きます。
1976年ー25=1951。下2桁が51だから、昭和51年です。
1984年ー25=1959。下2桁が59だから、昭和59年です。

新元号なら18ですね。
2019ー18=2001。令和1年。
2038ー18=2020。令和20年です。

コンピュータ内部でもそんな計算をしているはずです。
ただ、さほど作業的には複雑なものは少ないはずなので、順当にいけば4月中にはアップデート版がリリースされるだろうと思います。
リニーズでも、ダウンロードGoGo!での取り扱いソフトを中心に、情報が入り次第告知していこうと思います。

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