Office 2019が発売。リニーズの思うこと。

未改修

 

2019年1月22日、Office 2019が日本で発売されました。
カード形式の「POSA版」と呼ばれるものと、あとはダウンロード版の2種類が提供されています。
OEM版はまだ確認していませんが、間もなく出回るだろうと思います。

種類は毎度お馴染みのPersonal、Home and Business、加えてProfessional Academic(アカデミック版)の3種類。
アカデミックじゃない方のProfessionalにはPOSA版が存在せず、ダウンロード版のみの提供になるとのこと。

Office 2019はWindows 10専用となっており、Windows 7はもちろんのこと、Windows 8 / 8.1でも利用できません。
2020年1月14日にWindows 7も終了することだし、このタイミングでWindows 10への移行を強力に推進しよう、というマイクロソフトの意向が強く反映されたリリース内容だと思います。
ただ、Office 2019の普及は、思ったより随分先になるのかも知れないな……とリニーズ的には感じています。

経験則上、オフィスソフトの普及は、最新バージョンの1個手前、または1個半くらい手前のバージョンがよく売れます。
現在売上絶頂なのは2個前の「Office Premium」シリーズです。
いわゆるOEMパッケージで、パソコンに付属しているシリーズなのですが、購入すると常に最新版のオフィスソフトにアップグレードされます。つまりOffice 2016がリリースされれば2016へ。2019がリリースされれば2019へ自動的にアップグレードされるというものです。
しかも1年間だけですが、OneDriveが1TBまで使える権利とか、Skype毎月60分無料とかのサービスが使い放題のOffice 365 サービスという特典まで付いてくるというマイクロソフトの大盤振る舞いで、今後マイクロソフトはこのPremiumシリーズに注力していく……とアナウンスがあったのですが、さすがに大盤振る舞い過ぎたのか、結局この商品だけで終了してしまいました。現在は生産を終了し、従来型のOffice 2016、そして今回のOffice 2019へと舞い戻ってしまいました。
偽物が大量発生し、ヤフオク!とかYahoo!ショッピングなどを覗くと中国人の闇市みたいな状況が広がっていますが、本物は結構少なくなっているみたいであまり見かけなくなりました。
たぶんOffice 2016の方が今後は人気化するような気がします。

Office 2010が出た当時も、2個前の2003が絶頂でした。
Office 2013の時も、1個前の2010でした。
この流れからすると、Office 2019が絶頂期に達するのは、もうひとつ次のバージョンが出た後かな……と思わなくもないのですが、なんせWindows 10専用ですから、場合によってはもうちょっと先になるのかも知れません。
マイクロソフトによると、来年のWindows 7終了時点で、およそ1750万5000台ものパソコンが変わらずWindows 7を使い続けるのではないか、という予測を立てています。
Windows 7終了後、その1750万5000台に対するWindows 10への移行が、どのくらいのスピード感で進むのか次第な気がします。

あと、これが致命的かな……と思うのが、実はOffice 365の存在です。
Office 365は月額課金制のサービスで、月に1,000円前後でWindowsはもちろん、Macでも使えますし、iPhoneやiPad、Androidでも利用できます。
しかもOffice 2019は2台までのライセンスですが、Office 365の場合はもっとたくさんのデバイスにインストールが認められています。
そして、Office 2019がWindows 10専用だったのに対し、Office 365ではWindows 7以降に対応(Macは2つ前まで対応)しています。

Office 365は、いわゆるクラウドのオフィスソフトです。
契約をしてソフトをダウンロードすれば、月額料金を払い続ける限り、毎月更新される新しい機能や新しいサービスを受け続けることができるのです。

Office 365はかなり前から提供されているサービスで、これまでOffice 2013やOffice 2016は、ちょうどそのタイミングでスパッと切り取った製品、というイメージで出していました。
ところが今回の2019は、どうもそんな感じではなく、「機能限定版」みたいな性格が強い印象です。
Office 365には搭載されている機能が幾つかカットされていて、例えばOffice 365はAI学習機能が搭載されているなど、クラウドの新しい使い方が盛り込まれていますが、Office 2019にはありません。
買い切り激安で買うことができれば良いのですが、定価で買ってしまったら、なんだかモヤモヤしそうですね。

こんな事情もあるので、今後Office 2019がアップデートされてSR1みたいなバージョンアップでもしない限り、順当に時間の経過と共に売れていってくれるのかな、とリニーズは懐疑的に見ています。
まだ結論を出すには早いと思いますので、しばらく……リニーズに持ち込まれてくるまでの間、じっくりとOffice 2019の動向をウォッチしていきたいと思います。

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