ルーターに寿命はあるのか? 今見直したいネット環境について。

未改修

家や会社に設置されているインターネット環境。
何年も前に導入したときに設置して以来、特に何にも触っていない人が大半だと思います。
その時にルーターとかONUとか色々な装置を設置した。
とりあえず動いているからそのままにしてあるけど、これって壊れたりしないのかな……
今回はその辺について調査したことを書いてみたいと思います。

 

インターネット環境の仕組み(超初歩)

おおむね、家庭向けや規模の大きくない会社が持っている設備はこれと同じような構成のはずです。
写真は「auひかり」の環境ですが、他所さんでもだいたい同じと見て良いと思います。

光ファイバーが自宅に引き込まれ、まず「ONU」という箱に入ります。
写真では右側の黒色の箱です。
外からきた光ファイバーケーブルを宅内に引き込んで、このONUに接続しています。
ONUに入った光ファイバーは、ここで光信号をデジタル信号に変換しています。

デジタル信号はLANケーブルを伝って「ホームゲートウェイ」という機器に送られます。
写真奥の白い箱です。
auひかりの電話を契約している場合、このホームゲートウェイから電話回線が出発して宅内の電話機と接続されています。
電話はアナログ信号なので、このホームゲートウェイでデジタル信号に変換されてONUへ送られ、ONUでさらに光信号へと変換されて外に出て行くわけです。

また、auひかりの場合、このホームゲートウェイはルーター機能も兼用しています。
インターネットと接続するとき、この白い箱で制御されて各端末をインターネットに接続させています。
これはプロバイダの会社によって、「ONU」「ホームゲートウェイ」「ルーター」3つともが一体化した機器を使う場合もあります。

最後、写真一番手前の黒い箱「ルーター」に送られます。
auひかりではホームゲートウェイがルーターを兼用しているのですが、敢えて自分でもう1台用意して2重ルーターにしています。
インターネットを導入すると、プロバイダの会社から提供されるのはONUとホームゲートウェイまでなので、このルーターは自分で用意してきたものです。
こちらのルーターにはアンテナが3本あるのですが、この装置は無線で各端末に飛ばしてインターネットを提供しています。

 

まとめるとこんな感じです。

ちょっと難しい話になりますが、上の写真でいうところの白い箱「ホームゲートウェイ兼ルーター」だけでももちろんインターネット接続は可能です。
LANケーブルを延ばしていってパソコンに接続させれば、インターネット接続できます。
auひかりでは、別途月額500円を支払うとこの白い箱に無線機能が追加されて、ケーブルを使わなくても無線でインターネットができるようになります。

でも敢えて13,000円のルーターを買ってきて接続しています。

 

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無線機能の追加は月額500円……1年間で6,000円。2年使えば12,000円、27ヶ月も使えば13,230円(2019年6月時点)とトントンになります。
ルーターの寿命は、果たして2年3ヶ月以上もつのでしょうか?

 

ルーターの寿命ってあるの?

たぶん、パソコンに対して興味のない方でも同じ感想だと思うのですが、ルーターはなかなか頑丈だと思います。
まず普通の使い方では故障しにくいと思われます。
真夏のかなり暑い季節、締め切った部屋、40度くらいに達するような環境でもなんとか乗り切れたりします。
しかし、たいていのルーターの稼働温度は0〜40度であることが多いので、当然ながら連日この環境が続くと内部の回路が焼き切れて壊れてしまいます。
壊れる理由の一番大きいものが熱による障害で、実は完全な故障まで行き着かなくても接続が不安定になったり、以前より遅いと感じる場合は、内部的なダメージがかなりキテいるサインです。寿命が近づいているといえます。

ただこれは時間的な問題というより、環境的な問題です。
買ってきて間もない製品でも、そんな環境であれば早晩壊れる可能性はあります。
夏場は不在中でもエアコンを入れるか、ある程度の通気性を確保しないと厳しいですし、冬場も朝晩は室温が0度以下になるような寒い地方の場合は注意した方が良いかも知れません。

ただ、そういった負荷の多い使い方をしなければ、基本的に2年3年では故障はないと思います。
時間的には、たいていメーカーも4〜5年の継続使用を想定しているようで、昔売られていたAppleの無線ルーターは、想定寿命5年前後だとAppleの方から聞いたことがあります(今は販売していません)。

前項の自分で買ってきたルーターというのも、3年4年くらいは普通に使えるだろうと思えば十分元は取れると思います。
実はそれ以外にも、件のルーターAsus AC67Uはルーターとしての性能がよく、その分のメリットもあります。

ビームフォーミング。一般的な無線LANだとルーターから同心円状に無線を飛ばしているのですが、ビームフォーミング機能はパソコンやスマホの位置を把握して、指向的にその端末に向けて無線を飛ばすので、端末側も無線を捉えやすいという特徴があります。

MU-MIMO。会社などで何台かのパソコンで同時にネットに接続していると、台数に応じて速度が遅くなったりします。MU-MIMO技術により、そういった問題を解消でき、システム全体のパフォーマンスが大きく向上するというものです。

QoS。ゲームやムービー視聴など、ネットの通信量が多くなるコンテンツを使用するとき、QoS機能がコンテンツ内容で判断して通信に優先権を与えて快適に視聴できるようにする機能です。優れているのは、このQoSの優先順位を自分で設定できる点。

aiMesh。最近流行りのメッシュ機能のAsus独自仕様がaiMesh。今後新しいAsusルーターに買い替えた場合でも、それまで使っていたルーターは無駄にはならず、Mesh用中継器として再利用できます。

AiProtection。ウイルスバスターで有名なトレンドマイクロのセキュリティシステムがルーター内に組み込まれています。
これだけでパソコンにウイルス対策ソフトを入れなくて良い……わけではありませんが、悪意のあるサイトをブロックし、ウイルス感染した端末を隔離、ルーター設定のセキュリティ監視などをしてくれます。

このあたりの機能は、auひかりの標準ゲートウェイには付いていないため、敢えて買い足す意義を感じられる人もいるんじゃないかと思います。

 

ちなみにLANケーブルを見直すと良いよ

LANケーブル、気にしていますか?
導入したとき以来、一度も見直したことなんかないという方、多いと思います。

しかし近年、プロバイダから「より高速な1Gbpsプランに無料で切り替えられます」という案内がきたりします。
auひかりでは1Gbpsは無料(料金内)で、5Gbpsは月額500円、10Gbpsだと1,280円というプラン展開になっています。

うちでも1Gbpsの標準になっていますが、通例、よほど運が良くない限りホントに1Gbpsのスピードは出ません。たいてい半分、またはそれ以下です。
仮に500Mbpsで入った場合、ONUからホームゲートウェイ、さらにルーターに流れていき、無線で各端末へ飛んでいきます。

最近のルーターでは、802.11acという規格が採用されていて、パソコン側が対応していれば11acで接続できます。
11acは約433Mbpsですが、最大でアンテナ4本1733Mbpsのスピードを発揮できます。
Asus AC67Uはアンテナが3本、1300Mbpsのスピードです。

Macの場合、画面右上のWi-Fiマークを「Option」キーを押しながらクリックすると上図のように接続状況が見えます。
802.11acで接続され、最高速度の1300Mbpsで通信していることが分かります。

でも、問題はその後です。
パソコンとルーターの間は1300Mbpsで通信できても、ルーターとホームゲートウェイの間ではどうなんでしょうか。

Asus AC67UのLANケーブルの最高速度は1000BASE-T、つまり1Gbpsです。
この時点で実は1300Mbpsの最高スピードで通信できても、300Mは余計になります。

ホームゲートウェイについても、調べたところは1Gbpsだったので、やはりどうしようもありません。
さらにONUも調べてみると1Gbpsでした。
ただ、普通は1300Mbpsで通信することは滅多になくて、現実的には800Mだったり1,000Mだったりするので、その辺はあんまり気にしても仕方ないですけどね。

ごく最近、802.11acを超える802.11axという規格が出てきているんですが、もちろん無線ルーター側とパソコンの両方が対応しなければならないので、現時点では無意味ですが、このLANポートが相変わらず1Gbpsであれば意味がありません。高価格帯のルーターだとこの辺もちゃんとしていて、5Gbps対応、10Gbps対応のLANポートが用意されています。

ここでもうひとつチェックして欲しいのがLANケーブルです。
LANケーブルには「カテゴリ」と呼ばれる規格が存在しています。
ケーブル買いに行くとパッケージに「カテゴリ6」「カテゴリ7」という表記があるのですぐに分かると思うのですが、1Gbpsに対応しているのは「カテゴリ5e」以降です。これが古いケーブルを使っていると10Mbpsだったりとかするので、益々スピードダウンの原因になっています。
かんたんに言ってしまうと、細身のストロー、タピオカドリンク用のストローみたいな差があって、いくら1Gbpsで通信できる機器を買っても、LANケーブルが10Mbpsのケーブルであれば、どこまで行っても10Mbpsまでしか通信できないわけです。

 

他にも2重ルーターを解消すると良かったり……ルーター関係の世界は奥深い。

紙幅の関係で今回の記事はここまでですが、今回の例だとルーターが2つ同時に存在する「2重ルーター」状態になっています。
実はそんなに大きな問題ではないし、外部からのハッキングを想定したとき、2重ルーターの方が安全だと見る向きもあったりするのですが、外出先から接続するときに障害となったり、速度低下の要因になっていたりするので解消したいと考える方も多いのです。
いずれ近いうちに改めて記事化したいと思いますが、このネットワークの世界は奥が深く、難易度も高い(馴染みのない世界なので理解しにくい)ということもあるので、ぼちぼち皆さんにご紹介していけたらと思っています。

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