小学生の息子に教えている、私のパソコン学習法

未改修

自己紹介のところにも書いたのですが、私は10年後の日本にかなり悲観しています。

 

やりたいことが見つかる、広がる……
ノイテックス有限会社 代表取締役 林 鉄平(てっペー) 昭和51年、愛知県小牧市生まれ、岐阜県可児郡御嵩町育ち。小学校から高校卒業まで御嵩町で過ごしました。平成7年、國學院大學文学部へ進学のために上京、そのまま東京に居着いちゃいました。現在...

 

今の子どもたちは、携帯ゲーム機ばかりです。
ゲーム機とゲームソフトなら何台も持っているのに、パソコンは1台も持っていません。
私には小学生高学年の息子がいますが、彼の周囲で自分専用のパソコンを持っている子は息子だけでした。

世界レベルで見るとかなりおかしなことで、日本はこの分野では最底辺といわれています。
日本よりずっと貧しい、発展途上国と呼ばれる国であってもPC保有率はもっと高いのです。
何故こんなことになっているかといえば、その子どもたちを育てている親たちがまるでパソコンを使えていないからだと私は思っています。

今の時代、パソコンを使えることの重要さは、英会話より重要度が高いと思っています。
ビッグデータ、AI技術の発展により、自動翻訳の分野は相当なスピードで研究が進んでいるため、いずれ近い将来、英会話学習は必要なくなるかも知れません。
でも、その開発に使われているのはスマホやゲーム機ではなく、パソコンです。
その肝心なパソコンをちゃんと使える日本人が減るということは、アメリカに、ロシアに、そして中国に技術的に敗北するということなのです。

日本はもはや技術立国ではなくなりつつあります。
ホリエモンとか、ひろゆきあたりの人に言わせると、「そんなのとうの昔に終わってる」と言われそうですが、そのレベルで本当に間際だと思っています。
コンピュータ技術で後れを取るということは、自動車産業も、家電産業も、鉄鋼機械産業も、すべてにおいて軒並み立ち後れるということを意味しています。

 

IoTの勉強会に出席してみた。思ったより違う世界みたいだった。
IoT(アイ・オー・ティー。Internet of Things)という用語が2018年になって盛んに言われるようになり、何となく聞いたことのある人も多くなってきたと思います。 新聞などでは「モノのインターネット」と訳して解説していますが、...

 

やっぱり、これじゃダメだ。
リニーズはこのことをすごく問題だと思っていて、当リニーズメディア開設の大きな理由のひとつとして挙げています。
まず大人がPCに対して興味を持ってもらうこと。そこからスタートかな、と。

でも、実際のところ、PCの学習を支援する子ども向けの教材って全滅していて、そこそこの本屋に行っても1冊もなかったりするんですよね。
Amazonなんかで探しても、小学生に最適な本って見つからないんです。

そこで今回は、ゴールデンウイーク特別企画として、実際に私の息子に教えている内容をシェアしてみたいと思います。
参考にまでどうぞ。

 

ミッション1 起動と終了、ブラウザのこと。

まず最初に、パソコンの起動と終了、インターネットを始めるためのブラウザの開き方(閉じ方)を教えましょう。
このくらいは最初に教えてやった方がいいと思います。
逆に、親がこれを教えられなければヤバいです。

ここは普通に教えて、実際に子どもにもやらせてみます。
おっかなびっくりでも構わないので、2〜3回繰り返してやらせてみて、まず覚えさせてください。
ほかの余計なことは教えなくて結構、混乱させるだけです。

 

ミッション2 検索させよう。

次に、こんなふうに出題してみましょう。

インターネットを使って、「東京」を調べてみよう。

検索内容は、子どもが昆虫好きなら「カブトムシ」「キリギリス」とかでも良いのです。
ゲームの攻略法を調べなさい、みたいなことでもいいと思います。
できるだけカンタンなもので。

これ以上は何も指示してはいけません。
途中で覗き込むのもしてはいけません。
とにかく1人で自由にやらせてください。

何日かかっても結構です。
私の家では、月曜〜金曜の夕食後、お風呂に入るまでの時間でやりなさい。頑張っているのを見たら、土日はゲームやってもOKです、と言っていました。

最初はできなくてイライラしていたのですが、それでも一切手を貸しませんでした。
口も出しません。脅したり、すかしたりもしません。
見ないふり、聞かないふりに徹します。

そのうち、徐々に自分で探っていくようになります。
私の息子は2週間くらいかかりましたが、検索できるようになりました。

※ちなみにアルファベット習得は前提条件です。10歳くらいから教えましょう。

 

ミッション3 メモ帳を起動させよう。

検索の基本ができるようになったら、次の出題です。

インターネットを使って、「ゲンジボタル」を調べなさい。
調べたことを「メモ帳」に書いてパパに見せなさい。

これも、ヒントなしです。
放置。ひたすら放置。口出し厳禁です。
メモ帳って何? と聞かれると思うのですが、「分からなかったら、インターネットで調べな」とだけ答えます。
たぶん、そう遠からず「メモ帳」を起動するところに行き着くはずです。

2週間経ってもどうしても行き当たらなかったら、その時は一緒にネットでメモ帳を調べてやってください。
答えを教えるのではなく、調べる手順を教えてやることが大切です。
最近の人は成人になっても、手軽に教えてもらうことに慣れていますが、インスタントな回答はあまりタメになりません。

この段階では、まだファイルに保存する、ができないので、「書いたよ」「できた!」という声で見に行ってやりましょう。

 

ミッション4 「名前を付けて保存」を教えよう。

これは教えてやりましょう。

一生懸命調べたものでも、パソコンの電源を切っちゃうと消えるよね。
と、実際にパソコンの電源を切って、再起動。消えてしまったのを見せておきます。

じゃあ、これをパソコンに残す方法を教えるよ。
……と、名前を付けて保存する方法を教えてやってください。
ファイルはデスクトップに保存するのも。
あと、上書き保存も。

これはファイルを保存する必要性が理解できていれば、覚えられると思います。
親がやって見せて、子どもにもやらせてみましょう。

 

ミッション5 印刷させてみよう。

「名前を付けて保存」までが出来てそうな感じになったら、次のミッションです。

インターネットを使って、「ガリガリ君」を調べてみましょう。
そのホームページを印刷して見せてね。

プリンタの設定はさすがに難しいのですが、設定済みであれば口を出すことはありません。
1〜2日あれば印刷できるでしょう。
1週間経っても出来なければ、教えてあげてください。

 

ミッション6 コピペを教えてやろう。

次はコピペです。

コピーアンドペースト、またはコピーと貼り付けって意味を、インターネットで調べてみよう。

「分かった!」と声が掛かったら、「やってみせて!」と見に行きましょう。

 

ミッション7 お出かけしよう。

序盤の卒業試験です。
うちでは、息子とパパと2人で池袋にお出かけすることにしました。
レストランに行くのもよし、ジュンク堂で大好きな本を買ってやるのでもよし、ちょっと特別な企画を立てます。
そして、

何月何日に出かけるから、電車の時間など調べて、メモ帳に書いて印刷しておいて!

難しいと思います。
息子は1ヶ月弱かかりました。

私はヒントとして「ジョルダン」というキーワードだけ与えました。
これで息子はジョルダンで電車の時刻を調べ始めました。

何時に家を出て、何時に電車に乗って、池袋に何時に着いて、まずジュンク堂に行って、それからハンバーグ屋に行ってランチを食べて、
何時に電車に乗って、何時に駅に着いて、何時に帰宅。。

最後まで出来たら褒めてやり、
もう一度やり直させます。

多分この時点では、だらだらだらだら……と羅列するだけだと思うのです。
「これだと分かりにくいから、ちゃんと分かりやすいように整理して書いて!」
この工夫に相当時間がかかると思うのですが、見守ってやってください。
息子の場合、ちょっとアスキーアートっぽい感じでしたが、ジョルダンの検索結果を真似したような感じのレイアウトで一生懸命整理して出してきました。

上手くできたな、と思ったらお菓子でも買ってやれば、子どもも大喜びです!

 

実際に私が試したのは、こんな内容です。
息子は確実にスキルを磨きました。
相変わらずゲームが好きですが、「クラスでは僕が一番パソコン得意だと思う」くらいのことを言うようになりました。
次のステップにそろそろ進ませようかな……

パソコンの学習は、たぶん学校の授業ではダメです。
実用的なスキル、基礎的な知識は親が教えるしかないと思います。
しかし、教えるだけだとダメです。すぐに忘れます。
だから最適なレベルの課題を与え、ノーヒント、口も出さず、じっと様子を見てやってください。
ほかの学習と違って、パソコンの学習は自主的に工夫してやり抜こうとすると思います。

お試しください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました