Affinityシリーズ

Affinity Designerを現場でも活用する。大嶺建氏に聞く。

リアル脱出ゲームで有名なイベント企画会社SCRAPさんが、コロナ禍でも楽しめるオンライン・リアル脱出ゲーム「封鎖された魔王城からの脱出」というゲームを制作しました。
SCRAPさんといえば東京近郊の方以外は馴染みがないかも知れませんが、新宿歌舞伎町にある東京ミステリーサーカスの運営会社として有名です。本来はテレビゲームではなくて、実際に体を動かして遊ぶアトラクション系のリアル脱出ゲームを数多くリリースしています。
ちょうど2019年ごろに僕もちょっとリアル脱出ゲームに興味が出てきて、「息子と一緒にやってみようかなぁ」などと思い始めていた矢先、コロナでできずじまいになっていました。
今回は、そんなコロナ禍でも参加できるように、インターネットを介してプレイできるオンライン・リアル脱出ゲームとして、この「封鎖された魔王城からの脱出」が制作されたというわけです。
同作は日本だけでなく、翻訳作業を経て世界数カ国で配信される予定があるそうで、タイトルとしては実はかなり大きいみたいですね。。

 

【公式】オンラインリアル脱出ゲーム「封鎖された魔王城からの脱出」|封鎖魔王城
【公式】オンラインリアル脱出ゲーム「封鎖された魔王城からの脱出」|封鎖魔王城

realdgame.jp

 

さて、この「封鎖された魔王城からの脱出」というゲームにおいて、ゲームの撮影・編集を手がけたのは、TOMBOWINGの大嶺建さんというデザイナーさんです。動画制作に造詣の深いキョクチというブログを運営されていることでも知られた方です。DaVinci Resolveの認定トレーナー & Artlistパートナーにも就任されています。

 

動画マーケティング特化のキョクチ
動画マーケティング特化のキョクチ

kyokuti.jp

キョクチ 大嶺建

TOMBOWING 大嶺建さん

大嶺さんは、先年#脱Adobeを宣言して、Affinity Designer / Photo / Publisherを導入、以来Affinityの便利さを積極的に発信されています。
今回、この「封鎖された魔王城からの脱出」でも、画像制作の部分はオール100%Affinityを達成したとのこと。

今回は、そんな大嶺さんにお願いして、Affinity Designerを実際の現場でどのように使われ、どんな局面でAffinity Designerの良さが発揮されたか、その魅力のポイントを教えてもらいました。

しっかり調べたわけではないのですが、商業案件としては今回の「封鎖された魔王城からの脱出」が恐らく最も規模の大きいAffinityシリーズ現場使用の実例ではないかと思います。
リニーズメディアもAffinity関連で多くのみなさんが観に来てくださっているので、少しでも参考になればと思っています。

大嶺さんのご意向で、大嶺さんの文章には、読みやすさを企図して略語を訂正、句読点を付与、適宜の改行を加える以外は、一切手を加えずに掲載しています。

ぜひ最後までお付き合いください。

 

Affinity Designerを現場でも活用する。大嶺建氏に聞く。

Affinity Designerは、制作現場でどのように活用されたのか?

制作現場

大嶺氏

今回Affinity Designer / Affinity Photoを使用したプロジェクトはリアル脱出ゲームの「封鎖された魔王城からの脱出」ですが、その制作過程で支給されるイラスト素材(PSDとAiを少し)を開き各レイヤーをシーン毎に分けてtif書き出し。映像内で使用するちょっとしたグラフィックはAffinity Designerで作成し、それまたtifに書き出して映像編集ソフト上で編集に使用していきます。

僕はAdobe製品持ってないんですが、あまりにもAffinity使いすぎてて、ファイルの種類がPhotoshopとかIllustratorとかっていうのはそれほど気にせずAffinity Designerで開いていました。
普段からそうしているからということももちろんありますが、今回も不都合なさすぎて互換性を気にするとかそういうことを忘れてました。

クリティカルな案件になると開くソフトによっては色が変わってしまったりすることがありますが、そういう問題も(目視で確認した限りでは)なく、グラフィック制作において一度のトラブルも起きませんでした。

 

商業レベルの制作現場でも問題が起きなかったというのは力強い感じがしますね。
僕個人の経験でも、例えばネット上で画像素材をダウンロードしてきたものがAi形式だったりすることがありますが、確かにAffinity Designerを使って開けなかったり、色味やレイアウトが崩れてしまっていた記憶はありません。

また、チラシなどを作って印刷会社に依頼する際、「Illustratorで制作すること」などと指定がある場合がありますが、Affinity Designerで製作したものをAi形式で保存して出稿した場合でも、そのまま受理されるケースは少なくないようです。僕の周囲でもハネられたという話を聞きませんし、僕自身も名刺印刷などにAffinity DesignerによるAiファイルを出して、これまでダメだと言われた経験がありませんでした。

互換性は相当確かなんじゃないか、と僕は思います。

 

実際に制作現場でAffinity Designerを使い、便利だなと思ったこと

 

制作現場

大嶺氏

今回のプロジェクトで再確認できたことはAffinityのPSDやAiファイルとの互換性の高さ、動作速度の速さ(Adobe製品は動作が遅いものばかりですが比較するとケタ違いにAffinityの方が高速です)、Affinity Photoとの連携性(アスペクト比の違う大きなイラストデータだと場合によってはAffinity DesignerからAffinity Photoに移してトリミングしたりします)ですね。

連携性に関しては、例えばIllustrator上に配置したPSDはMacであればAltを押しながらダブルクリックでPhotoshop上でそのデータを開き編集・保存し、そのままIllustrator上に戻るとそれが反映されるというフローとなりますが、それだとIllustrator上に配置した「ひとつのPSDのみ」しか編集することができません。Affinityであれば全てのファイルを全てのAffinityで自由に行き来が出来、編集できるという点がアドビ製品と比べた際の圧倒的な優位点だと思っています。

グラフィックデザイナーや業務でバリバリグラフィックを作るなんていう人でなければ、Affinity Designer単体があれば一生使えるレベルで完成しているツールだと感じますが、各アプリの連携性を利用してより高効率・より良いモノづくりをしたいという方であればAffinity PhotoとAffinity Publisherを購入した方が圧倒的に楽しいしモチベーションが上がります。

 

快適さは、多分多くの人が感じることのできるポイントだと思います。
Adobe製品と比較すると、本当に立ち上がりも、使用中も、書き出しの時までずっと快適に動作してくれます。
僕はMac版使っていますが、Web用素材を作る程度なら、メモリ8GBもあれば不便を感じません。

連携性については、複数ファイルの編集作業を経験した人しか感覚的に分からない部分かなとは思いますが、実はAffinityシリーズのファイル保存形式「.afdesign」「.afphoto」は開くアプリを判別しているだけで、内部的に同じ仕組みのファイル形式です。なので、Affinity Designerで作ったものをAffinity Photoで開いても、完全に同じ状態で開くことができ、相互に編集し、保存することができます。

さらにAffinity Publisherを使えば、同じアプリ内でAffinity PhotoとAffinity Designerを切り替えて編集することができ、統合的な使用が可能になります。
どうせならAffinity Publisherを買って、相互連携で使い込んでいくと色々と便利に思えるんじゃないかと思います。

 

じわりじわりと増えていくAffinityユーザ。おすすめな方と、そうでない方。

制作現場

僕が運営しているダウンロードGoGo!でも、Affinityユーザはじわりじわりと増えてきています。
特に2020年夏以降の増え方は目を見張るものがあり、法人のお客さまもびっくりするくらい増えています。
Serifさんとも話していますが、Affinityシリーズのユーザさんは、今後もどんどん増えていくのではないかと見ています。

そんな中で、今回のプロのデザイナーさんの現場の声が聞けたのは、僕らにとっても貴重な体験でした。
プロの方が仕事場においてもAffinityシリーズだけで完成させることができたということは、多くの方にとって、必ずしもAdobe製品一択というわけではないという可能性を開くものだと思います。

僕たちは、Adobeの歴史、Adobeの実績に深い敬意を持つあまりに、他のソリューションが育つのを認めないような空気があったのかもしれません。
しかし、Affinityシリーズをはじめ、例えばDaVinci Resolveであったり、FigmaやSketchであったり、世界では次々と新しいものが生まれてきていて、実際に使ってみると、これまでとは全然違った世界が見えてくることもあるはずです。

決してAdobe製品がダメだというわけではないと思います。
最先端技術のトップリーダーの座は今も健在だと思いますし、チームで運用するなら自分だけAffinityを選択するわけにはいかないはずです。
でも、もし自由に選べる状況にあるなら、Affinityシリーズだけでなく、DaVinci Resolveなどの別のソフトウェアを試してみるのも良いかもしれませんよね。

大嶺さん、今回は本当にありがとうございました。

 

大嶺建さんのYoutubeチャンネル「YMRchannel」もぜひご覧ください!

https://www.youtube.com/channel/UC4rkBWGAg7aIs881pW6T3jg
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MacやiPhoneなどApple製品に関するレビューや話題を中心に、デジカメやDaVinci Resolve、アドビ製品に関する話題を配信しています。


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