

家電量販店などで売られている外付けのハードディスクなどを最初に接続した時、初期化する必要がある場合があります。
その時、「選択したディスクに次のパーティションスタイルを使用する」として、MBR / GPTを選択する項目が表示されます。
今回はこのMBRとGPTの差を詳しく説明します。
初心者の方にも理解しやすいように説明するように心がけますので、安心して読んでみてください。
記事の後半では、このMBRとGPTを変換する方法についても解説します。
ちなみに僕は世界に隠れた優秀なソフトや、ちょっと変わった面白いWebサービスなどを収集して、それを日本で販売するのを仕事にしています。
これまでも数多くの海外メーカーさんと手を結んでいます。
この仕事に携わる前は20年近くPCソフトの販売業を手がけていて、1万本は軽く超えるソフトを見てきています。
PCソフトの専門家として、こうした情報の普及に努めていますので、ぜひ見ていってください。
それでは早速、解説を始めたいと思います。
目次
Windowsが起動するまでの仕組みを軽く解説
初心者の方のために、パソコン起動時の仕組みについて軽く触れておきましょう。
Windowsが起動するまでの流れ
- 電源オン!
- パソコン内部のファームウェアが起動。
- ファームウェアがディスクの読み込みを指示する。
- ディスク内のMBR(またはGPT)を参照する。
- MBR(GPT)はディスク内のパーティション情報をチェックする。
- パーティションの中にWindowsがあれば、それを読み込むように指示する。
- Windows起動!
ファームウェア
パソコンに限らず、スマホやデジタル家電などには、機械を制御する初歩的なプログラム「ファームウェア」が記録されたチップが内蔵されています。パソコンのスイッチがオンになると、まずこのファームウェアが最初に読み込まれて、ごく初歩的な起動時の指示が行われるという仕組みです。
パソコンの場合、このファームウェアのことを「BIOS(バイオス)」または「UEFI(ユーイーエフアイ)」と呼んでいて、今回の記事に少なからず関わってきます。
パーティション
区画のこと。
2TBのハードディスクがあったとして、それを1TB / 1TBという具合に分割して使用する場合、パーティションで区切って使います。買ったばかりのパソコンで、例えばCドライブとDドライブに分かれていた場合、ディスクが2台内蔵されているわけではなくて、1台のディスクをパーティションで区切っているわけです。
ちなみにパーティションは1個でもパーティションです。パソコンにCドライブしかない場合でも、Cドライブというパーティションが存在していることになります。
とりあえず、なんとな〜く理解していただければ大丈夫です。
基本、「ファームウェア→MBR(GPT)→Windows起動」という流れだけご理解ください。
MBRはディスクの中の目録みたいなもので、「パーティションは2つ。CドライブとDドライブ。Cドライブの中にWindowsが入っているから起動せよ!」みたいな感じで動いてくれるものです。
MBRとは?
MBRはマスター・ブート・レコードの略称で、古くから使われてきた仕組みです。
以下のような特徴があります。
MBRとは?
Windows 各種32ビット版でも64ビット版でも対応している
パーティションは4区画まで作成できる
ディスクは2TBまで認識できる
ファームウェアはBIOS系
昔からあるものなので、パソコンの性能をほぼ必要としません。
ただ、パーティションは4つまでしか分割できませんし、ディスク容量は2TBまでしか認識されません。
しかし全てのWindowsに対応しているなど、汎用性は抜群です。
GPTとは?
GPTとはGUID・パーティション・テーブルの略称で、Windows Vista以降に登場した新しい仕組みです。
以下のような特徴があります。
GPTとは?
Windows Vista以降の64ビット版、
またはWindows8以降の32ビット版・64ビット版の環境で利用可能
パーティションは128区画まで作成できる
ディスクは2TB以上認識できる
ファームウェアはUEFI系
Windows Vista以降の64ビット版、またはWindows8以降の32ビット版・64ビット版の環境で利用できます。
2TB以上のディスクを買ってきたとき、GPTで初期化しないと、2TB超過分は無視されてしまいます。
ファームウェアがUEFIでないと、GPTのディスクにWindowsをインストールしても起動できません。
色々制限が多いんですね。
GPTにすることのメリット
GPTの代表的なメリットは、やはり2TB以上のディスクを認識できる点です。
2TB以上のディスクを使っていないのであれば、無理にGPTに変更する理由はありません。
GPTにすると高性能とか、そういうことは特にないです。
もうひとつ、GPT環境下だと起動が速いという利点があります。
Windows7以降……体感的にはWindows8以降で顕著ですが、GPTだと起動がいくらか速いようです。さらにUEFIによっても高速化が図られているので、この2つが合わさると、MBR環境下より起動スピードが向上しているのが体感できます。
この分野はやり込み要素があって、詳しい人はFastBootを有効にしたり、セキュアブートを無効にしたりして、UEFIの設定を調整していくことでかなりの高速化を計れたりするんですが、そこまでしなくてもUEFI + GPTだけでも体感できます。
また、Windows10に搭載されている高速起動モードは、このGPTでなければ利用できません。
注意点は「起動時のスピード」ということ。使用中の快適さとは別件なので、要注意です。
また、HDDからSSDに載せ替えた時のようなスピード感は期待できないので悪しからず。
BIOSとUEFIの確認方法、MBRとGPTの確認方法について
現状、自分の使っているパソコンがBIOSなのかUEFIなのか、MBRなのかGPTなのか知りたい方は、この方法で確認してみてください。
BIOSかUEFIかを確認する方法
Windows7の場合、スタートボタンを押して、検索窓に「msinfo32」と入力します。
Windows10では左下の検索窓に直接入力します。
すると「システム情報」というウインドウが開きます。
赤く囲ったところに「BIOSモード UEFI」と出ています。つまりこのパソコンはUEFIで動作しています。
もしBIOSの場合は「レガシ」(レガシーは旧式の意味)と表記されているはずです。
こちらはWindows7におけるシステム情報ですが、よく見てください。前掲の「BIOSモード」の項目がありません。
どうもこのパターンもあるらしく、ここからは判別できないことになります。
ただ、古いパソコンでこの状況は発生するようなので、大方BIOSだと思われます。
デュアルモード
パソコンの機種によってはBIOSとUEFIが両方使えるものも存在しています。標準ではBIOSなんだけど、設定を変更するとUEFIモードに切り替えることができたりします。その辺は機種によって操作方法なども全然違うので、マニュアル等を読んで確認してみましょう。
MBRかGPTかを確認する方法
次に、MBRなのかGPTなのかを判断する方法です。
「スタートボタン」を押して、「コンピューター」の項目の上で右クリックをします。
上図のメニューから「管理(G)」を選んでクリックします。
「コンピュータの管理」というウインドウが開きます。
「ディスク0」の付近で右クリックして、メニューから「プロパティ」を選択します。
すると上図のようなウインドウが開くので、「ボリューム」タブをクリックします。
するとその中に「パーティションのスタイル GUIDパーティションテーブル(GPT)」と記載されているので、このディスクはGPTであることがわかります。
AOMEI Partition Assistantで、MBRとGPTを変更する方法
ここまでで、MBRとGPTの違いについて説明し、自分のパソコンがどちらなのかを判断する方法もご紹介しました。
前述の通り、2TB以上の容量のあるディスクを使いたい場合や、高速起動に興味のある方にとっては、MBR→GPTへの変更が魅力的に思う方もいらっしゃると思います。
そんな方は、AOMEI Partition Assistantがあると便利です。
AOMEI Partition Assistantを使って、初期化せずにMBRとGPTを切り替える方法をご紹介しましょう。
step
1Partition Assistant Professionalを用意する
まず、ここからPartition Assistant Professionalを手に入れます。
Partition Assistantには無料版もありますが、この機能が使えるのはProfessional以上です。
このためだけで購入するのは気がひけるかも知れませんが、Partition Assistant Professionalには、その他HDDからSSDに移し替える時のクローン化機能や、万一のトラブルでWindowsが起動しなくなった時の救済機能なども揃った、ディスク関係に強いユーティリティソフトです。
1本持っておいて損はないと思いますよ。
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AOMEI Partition Assistant Professional
d-gogo.com
ダウンロード版なので、購入後すぐに届きます。
step
2「GPTディスクに変換」を選択する
まず対象にするディスクを一覧からクリックします。
次に、左側のメニューから「GPTディスクに変換」を選びます。
ちなみにGPTからMBRにする場合は項目名が逆に「MBRディスクに変換」になっているはずです。
「はい」
step
3適用をクリックする
左上の「適用」というところにオレンジの「01」が点灯します。
ここで「適用」をクリックします。
「保留中の操作一覧」というウインドウが開いて、「MBRをGPTに変換」の操作を実行するか聞かれるので、「続行」をクリックします。
「続行」をクリックすると直ちに実行されます。
数十秒で完了です。
これで終了。とてもかんたんに切り替えができます。
AOMEI Partition Assistantってなに?
AOMEI Partition Assistantは、AOMEIという海外メーカーのパーティション設定変更を専門にするソフトです。
GPTとMBRを相互変換する機能をはじめ、
HDDからSSDへの切り替えを超スピーディーに実施する機能、
珍しいところだと、USBメモリにWindowsをインストールして持ち運べる機能なんかも盛り込まれています。
値段も性能と比べると安めに設定されていて、20年間ソフト販売を手掛けてきた僕が色々なソフトを見てきた中では、頭ひとつ抜き出た技術力を持っているので、買って損はないと思います。
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業界プロが教える、Partition Assistantをお得に購入する方法
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