バックアップソフトの用語の中に「差分バックアップ」「増分バックアップ」という言葉があります。
この違い、ちゃんと説明できますか?
今回は、この差分バックアップと増分バックアップについて詳しく解説し、どっちが良いのかもアドバイスさせていただきます。
この記事を読めば、差分バックアップ・増分バックアップの違いが分かり、さらにメリットとデメリットも理解できるようになります。どっちが良いか迷っている方は、参考アドバイスを読んでいただければ、きっと指針が見つかります。
ちなみに僕は世界に隠れた優秀なソフトや、ちょっと変わった面白いWebサービスなどを収集して、それを日本で販売するのを仕事にしています。
これまでも数多くの海外メーカーさんと手を結んでいます。
この仕事に携わる前は20年近くPCソフトの販売業を手がけていて、1万本は軽く超えるソフトを見てきています。
バックアップソフトも扱っているため、よくお客さまから尋ねられることがあり、この機会にブログ記事として公開してしまおうと思います。
ぜひ最後までお付き合いください。
差分バックアップとは?
バックアップの基本として、まず最初は完全バックアップ(全データをバックアップすること)を実施します。
その上で差分バックアップとは、その完全バックアップ後に変更があった部分だけをバックアップしていく方式のことです。
差分バックアップはポピュラーな方法ではあるのですが、
累積してバックアップされるために徐々に容量が大きくなっていく特徴があります。
最終的には、当時の完全バックアップよりも差分の方が大きくなってしまう場合も考えられます。
そこで、月に1回は改めて完全バックアップを行なう、などのリフレッシュ作業を行なって運用するのが基本です。
スケジュール設定が複合的に行えるバックアップソフトを使えば、このあたりも自動化できます。
増分バックアップとは?
増分バックアップとは、前回バックアップ後に変更があった部分をバックアップしていく方式です。
増分バックアップは1回のバックアップ時間が非常に短く、ディスク容量も節約できます。
ただしバックアップを使って復旧する際は、バックアップデータの全てが保全されていないと復旧できません。
つまり、真ん中の増分バックアップが抜けていたり、数年前の増分バックアップは消してしまった、などという場合は復旧できないのです。一揃えすべて必要です。
そこで完全バックアップを数ヶ月に一度は行ってリフレッシュする必要があります。
数年間累積し続けると、データ損失(ファイルが破損する可能性だってあります)のリスクが高くなりますし、パソコン側としても、すべてを連結させるのに時間が掛かってしまうため、望ましいとは言えません。
差分バックアップと増分バックアップのメリット・デメリット
差分バックアップも増分バックアップもそれぞれの特徴があります。
そしてそれぞれのメリット・デメリットもあります。
[st-cmemo fontawesome=”fa-hand-o-right” iconcolor=”#3F51B5″ bgcolor=”#E8EAF6″ color=”#000000″ iconsize=”200″]復旧するときは「完全バックアップ」と「戻したい日時のバックアップデータ」の2つがあれば良い。[/st-cmemo]
[st-cmemo fontawesome=”fa-exclamation-circle” iconcolor=”#ef5350″ bgcolor=”#ffebee” color=”#000000″ iconsize=”200″]時間の経過とともにバックアップデータが肥大化していく。[/st-cmemo]
[st-cmemo fontawesome=”fa-hand-o-right” iconcolor=”#3F51B5″ bgcolor=”#E8EAF6″ color=”#000000″ iconsize=”200″]バックアップにかかる時間が短くて済み、バックアップデータも肥大化しない。[/st-cmemo]
[st-cmemo fontawesome=”fa-exclamation-circle” iconcolor=”#ef5350″ bgcolor=”#ffebee” color=”#000000″ iconsize=”200″]復旧するときは「完全バックアップ」と「戻したい日時までの全バックアップデータ」が一式すべて必要。[/st-cmemo]
差分バックアップと増分バックアップ、どっちがおすすめなの?
結局のところ、差分バックアップと増分バックアップのどちらがおすすめなの?
この答えって、結構難しいです。
上の説明でも書いていますが、どちらも一長一短があります。
その人の考え方や、利用環境など、さまざまな要因があるので、「全員に統一したおすすめ」というのは難しいですが、例えば増分バックアップをベースにして、下図のような方法はいかがでしょうか?
日常的には増分バックアップで実施しておいて、月に1回とか3ヶ月に1回、完全バックアップを再度実施するのです。
この方法なら、増分バックアップ履歴をある程度まで減らすことができると思われます。
差分バックアップの場合も、
と、このように定期的に完全バックアップをとってリフレッシュすれば、肥大化することを避けられると思います。
バックアップ計画を立てて、バックアップの運用をしよう
どのバックアップソフトを使う場合も、「バックアップ計画」を立てて実施すると間違いがありません。
バックアップ計画とは、「フルバックアップを月に1回、何日何時に実行」「増分バックアップは何時間ごとに実行」などのプランを立てることです。
例えば日常的によく使うパソコンであれば、
- フルバックアップを1ヶ月おきの月末最終日の19:00に実施
- 増分バックアップを毎日12:00と18:00に2回実施
- もしバックアップをとれなかった場合、次のログイン時に再試行
という具合の計画が立てられそうです。
あとはこの計画に基づいてバックアップソフトの「スケジュール設定」をおこなえば完了です。
たいていのバックアップソフトには「スケジュール設定」の機能が搭載されています。
ここを設定してやれば、あとは全自動でバックアップをとってくれます。最近のバックアップソフトなら、作業を妨げるほど動作を重くしないと思います。
もし軽いバックアップソフトをお探しなら、AOMEI Backupperを僕は推薦します。
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