純国産の動画編集ソフト・Souc!e?
日本のベンチャー企業「Soucle(ソークル)」が動画編集ソフトを昨日、5月27日にリリースしました。
その名も「Souc!e?」
競争の苛烈な動画編集ジャンルに打って出るあたりベンチャー感がすごいなぁと思うのですが、果たしてどんなソフトに仕上がっているのでしょうか。
今回はSoucleさんのご厚意で、発売直前のプレビュー版を使用させていただいたので、そちらを基準にしたレビュー記事を書かせていただきました。
ぜひご覧ください。
[nlink url=”https://soucle.jp/lp/campaign01″ img=”https://reneeds.net/wp-content/uploads/2020/05/soucle.png” title=”Souc!e?” excerpt=”パワポ感覚で誰でも使いこなせる
ビジネス向け動画制作アプリ”]
コンセプトは「初めての人のためのビジネス向け動画編集アプリ」
「Souc!e?」は、初めての人のためのビジネス向けの動画編集アプリ、というコンセプトで開発されたそうです。
これからの時代、動画はますます普及します。
ビジネスにおいても、確実に動画活用が広がります。
商品のプロモーション動画や解説動画、お客さんへのプレゼント動画など、さまざまな活用方法が考え出されていくことになるでしょう。
でも、動画編集といえば「個人の趣味」か「専門職の人による数十万円〜百万円超えのコンテンツ」という両極端の世界で、とかくビジネスでの動画といえばプロに数十万円出して依頼するものなので、どうしても普及しにくい雰囲気があるんですよね。
そこを「Souc!e?」は、誰でもかんたんに使うことができ、ちょっとした動画なら気軽に内製できる動画編集ソフトとして位置づけているようです。
なるほどなぁ……
「仕事で動画を活用したい。でも、予算はないし人材も足りない。」
そんな声にお応えするために開発されたのがSouc!e?です。
これまでに動画の制作経験が まったく無いような方でも、
安心して自由に使いこなせるようなアプリケーション。
それを最も大切にしました。
いつでも どこでも 簡単に、誰もがビジネス動画を作れる環境を。
それが、Souc!e?(ソークル)の思いです。
動画編集ソフトを初めて触る人にとっては、敷居が高く感じるものです。
見慣れない画面構成、
知らない専門用語、
イメージとしての難易度の高さ……
動画編集ソフトを普及させる上で最も難易度が高いのが、この「取っ掛かりの悪さ」だと思います。
つい先日レビュー記事を書かせてもらったEaseUS Video Editorでは、
アプリ内チュートリアルに工夫を与えて解消を試みています。
僕がベストバイな動画編集ソフトとしてお奨めしているFilmoraでもYoutubeで積極的にハウツー動画を配信して、敷居を低くすることに注力していたりします。
「Souc!e?」では、後で画面を見ていただくと分かりますが、
ビジネスシーンでは馴染みの深いパワーポイント風な画面と操作感を有しています。
普段からパワーポイントを使っているビジネスユーザさんなら、なんとなく入って行きやすいのではないかと思います。
早速インストールして作ってみた
インストール
「Souc!e?」はインストールの前にユーザ登録が必要となります。
今回試用させていただいたのはプレビュー版のため、登録手続きについては割愛します。
ユーザ登録は自動処理されるため、登録後すぐにインストールすることができるはずです。
セットアップ画面です。
インストール先の指定。
特になければ、そのまま「次へ」
コンポーネントの選択。
ここは「Version 0.2.0」にチェックがあれば問題ないようです。
もしかしたらプレビュー版の仕様なのかもしれません。
ライセンス条項。
ショートカット。
インストール準備完了です。
クリックするとインストールを開始します。
インストール途中でVS2013ランタイムのインストールがあります。
「Souc!e?」を使用する上で必要なファイルなのでOKを押して進めてください。
インストールが無事に完了しました。
最近の海外製ソフトはインストーラ起動直後に一気にインストールが進む感じですが、「Souc!e?」は昔ながらのワンステップ、ワンステップ進む感じですね。このセットアップに慣れている人も多そう。
Souc!e?を起動させてみる
「Souc!e?」最初の起動画面です。
事前に登録したユーザアカウントを使ってログインします。
メイン画面です。
サンプルが一個だけ置かれています。
叩き台になるテンプレートが正式版では20〜30程度用意されているそうですが、プレビュー版では準備中とのことでした。
サンプル動画をちょっと見てみましょう。
こんな感じ。
ざっくりこんな感じ。
要件としては画面右側に素材になる動画データなどを取り込んで、
左側のタイムラインまでマウスでドラッグする。
いくつかドラッグしていくと、動画素材同士がつながって、連続再生できるようになるわけです。
あとは必要なポイントでBGMを流したり、テキストを入力したりすれば動画制作がかんたんに行なえるということです。
実際にSouc!e?で作ってみよう
さて、実際に「Souc!e?」を使って動画を一本作ってみたいと思います。
新規作成時に縦型・横型を選びます。
現時点では縦横のピクセルも一択のみのようで、やや大きめのサイズ感で固定されています。
ここからスタートです。
画面右上の「ファイルを追加」という文字をクリックして幾つか追加してみましょう。
追加したファイルが右側に一覧に並びます。
幾つか追加した中から、適当なファイルを左側エリア「シークエンス」にマウスでドラッグすると上図のように追加されます。
動画編集ソフトに慣れている方は「タイムライン」と言った方がしっくり来ると思いますが、シークエンス。
ここに素材をドラッグします。
オレンジの「▲」があります。
右側は「動画」
左側は「音楽」
それぞれの調整ができます。
上の「▲」は動画スタートするときの導入時のエフェクト
下の「▲」は動画が終わるときのエフェクトです。
「▲」をクリックすると設定項目が表示されます。
「Souc!e?」での文字入力はさすが日本製だけあって、ちゃんと最適化されています。
メイリオやその他のフォントもしっかり利用できます。
文字表示の演出回りも簡単なことはできるようになっていて、再生から何秒後に表示させて、何秒後に消す、というのもこの画面で行なっています。
実はこの文字の表示関係にちょっとしたバグを見つけたのですが、正式リリースから間もなく修正されるようなので一安心です。
この辺は素早い対応で良いですね。
BGM設定。
ニュアンス、雰囲気に合せてリリース時点で約400曲収録されています。
かなり多いですね。
著作権上の問題だとは思うのですが、大半がクラシック、またはそのアレンジ曲なのが好みの分かれるところです。
前出のFilmoraなどは、海外専属クリエイターの手による楽曲がサンプル収録されており、どれもオリジナル曲ばかりです。
ただ、そのために軒並み欧米っぽいBGMに統一されがちなので、日本人好みする和風楽曲、アジア楽曲をラインナップに加えることができれば、そこは「Souc!e?」にとっての突破口になるかなぁと思います。
使用する音楽ひとつで動画の印象がかなり変わるので、ぜひ日本人好みする楽曲の追加をお願いします!
また、音楽の取り込みはできないようです。
自作曲やフリー音楽素材集で見つけてきた楽曲を使いたいなどの需要もあると思うので、取り込み機能は入れて欲しいですね。
※ 6月1日追記:実はできるらしいです。この辺、チュートリアルが貧弱なので、Youtubeなどを活用して今後のプロモーション展開があると良いですよね。
シークエンスの左側の灰色バーを右クリックすると、サウンド設定ができます。
シークエンス単位で音楽を切替えることもできますが、動画再生中1曲で通す場合は「サウンド生成終了まで継続」をクリックすると良いです。
トリミング(区切り)。
再生バーの両端にトリミング用のバーがあります。
前後のトリミングのバーをドラッグすると、その範囲で切り抜かれます。
でも、微調整が難しくて少し不便。。
動画を再生して、ストップしたところでトリミングされる機能などは実装して欲しいところですね。
動画の最後に会社のロゴとか、連絡先、URLなんかを表示したい場合もあると思います。
jpegやpng画像などでそういう画像を作れば「Souc!e?」にも取り込めるのですが、再生時間は2秒間です。
これを伸ばしたい場合、
シークエンス右側中央の秒数をダブルクリックすると上図のような表示が出てきます。
ここで秒数を好きなだけ伸ばせば良いのです。
Souc!e?で書き出した動画
さて、「Souc!e?」で作った動画を書き出してみました。
書き出しは画面左下から実行しますが、基本、選択肢がありません。
クリックすると開始され、ローカルに保存されます。
動画の利用目的などで、サイズ、画質、FPSなどはさまざまだと思うので、ここは機能追加をお願いしたいところです。
機能面や操作性に改善の余地は残るものの、ビジネスでの動画活用を普及させるのに一役買いそう。
「Souc!e?」をひと通り使ってみて、とてもかんたんに作れる印象がありました。
動画編集ソフトを触ったことのない人にとって、パワポの雰囲気に似せた画面設計はひとつの個性ですし、敷居を下げるのにも一役買っているように感じました。
正直、縦で操作する動画編集ソフトって経験がないなぁ……と思います。個人的には面白かったです。
その一方で、動画編集ソフトを触ったことのある人にとっては、画面構成が縦割りになっているのは違和感があるようにも思います。
この辺は、思いきってユーザ層を限定したのが今後どう出てくるかな、と思いました。
機能面においては、リリース直後ということを割り引いても、少し弱いかなという印象があります。
機能が少ない=初心者でも迷わず簡単に使える、というのは事実なんですが、
逆に少し慣れると物足りなく感じるのも早く、言ってしまうと飽きやすいという部分もあります。
この辺はバランスだと思うのですが、ちょっと「Souc!e?」は機能が簡素すぎる感が否めないと思いました。
前述のように、書き出しの設定機能、それに、もう少しエフェクトやトランジション、効果音、タイトル効果なんかも使えるようにならないと、最初の数回は使ってもらえても、継続課金してもらうのは相当厳しいのは間違いなさそうです。
また、ソフトの在り方(コンセプト)としてはPearlMountainのFlexClipにかなり近いなぁというのは、とても強く感じています。
FlexClipも、今後のビジネスシーンでの動画進出を見越してローンチされたWebサービスで、実際の使用感も良く似ています。
ただ、FlexClipはWebサービスで、「Souc!e?」はアプリケーションです。
ちょうど数日前、ある中国メーカーの方と雑談をしている中で、「これ、アプリ化したら人気出るかもなぁ」と僕が言ったところ、「え、なんで?」と返ってきました。
日本以外の国では、アプリよりもWebサービスの方が汎用性があって便利だというのが共通認識です。
わざわざアプリ化する意味ってあるの? という事なんですが、日本だとアプリの方が微妙に支持されるんですよね。
その点、「Souc!e?」がアプリなのは、いかにも日本的な感じがしました。
ともあれ、日本企業による、日本人のための動画編集ソフトです。
今後の機能強化や、ユーザの要望に積極的に答えていくことを期待しないわけにはいかないじゃないですか。
「Souc!e?」が純国産の動画編集ソフトとして地位を確固たるものにできるかは、今後の展開次第かなと思います。
アプリとしての完成度は決して低くないし、今なら先着200名様限定、3ヶ月間無料だそうですよ。
[nlink url=”https://soucle.jp/lp/campaign01″ img=”https://reneeds.net/wp-content/uploads/2020/05/soucle.png” title=”Souc!e?” excerpt=”パワポ感覚で誰でも使いこなせる
ビジネス向け動画制作アプリ”]
「Souc!e?」で制作した動画を応募すると、優秀作品に選ばれた10名様は1年間無料になるそうです。
せっかくの機会ですし、国産を応援して盛り上げていきたいと思います。
腕試しと思って、ぜひチャレンジしてみてくださいね。